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技術や日常のログ

「良い戦略、悪い戦略」読書メモ

「良い戦略、悪い戦略」を改めて読み返した。良書。 「良い戦略とは最も効果の上がるところに持てる力を集中すること」とありその戦略を立てるための考えたが書かれている。また悪い戦略(戦略と呼べないもの含む)についても書かれており「成功すると考えたら成功する」というのは戦略ではなく精神論あるいはただの願望でしかないなどホントそうと思うものが多々ありアンチパターンのチェック用としても活用できそう。

良い戦略の特徴をざっくりまとめると「複雑な事象に対してボトルネックを見つけ、順番にボトルネックに対してリソースを集中させ、実現可能な目標を設定して解決していくこと」

個人的に好きだったのは、鎖構造を強みにシステムを作り上げてしまえば容易にマネできないという考えで対企業でこれが行われるとなかなか勝てないと思う。

自分の振り返り用のメモをピックアップして記載する。

悪い戦略の4つの特徴

  1. 空疎である
    • 戦略構想を語っているように見えるが内容がない。華美な言葉や不必要に難解な表現を使い、高度な戦略思考の産物であるかのような幻想を与える。
  2. 重要な課題に取り組まない
    • 見ないふりをするか、軽度あるいは一時的といった誤った定義をする。問題そのものの認識が誤っていたら当然ながら適切な戦略を立てることはできないし、評価することもできない。
  3. 目標を戦略とりちがえている
    • 悪い戦略の多くは、困難な問題を乗り越える道筋を示さずに、単に願望や希望的観測を語っている。
  4. まちがった戦略目標を掲げている
    • 戦略目標とは、戦略を実現する手段として設定されるべきものである。これが重大な問題とは無関係だったり、単純に実行不能だったりすれば、まちがった目標と言わざるえを得ない。

リーダーまたは自身がこれらをやってしまっていないかは注意が必要。借りてきた言葉や願望の比率が多くなり上手く進まないプロジェクトは見た記憶がある。プロジェクト初期であれば問題ないと思うが中期になってもだと具体化が進んでいないので不味い。

良い戦略の基本構造(カーネル)

  1. 診断
    • 状況を診断し、取り組むべき課題をみきわめる。良い診断は死活的に重要な問題点を選り分け、複雑に絡み合った状況を明快に解きほぐす。
  2. 基本方針
    • 診断で見つかった課題にどう取り組むか、大きな方向性と総合的な方針を示す。
  3. 行動
    • ここで行動と呼ぶのは、基本方針を実行するために設計された一貫性のある一連の行動のことである。すべての行動をコーディネートして方針を実行する。

基本方針のみで戦略という人が多いと思われるが、方針のみでなく診断と行動まで含めないと戦略とは呼べない。診断がなければ空虚なものになり、行動までなければ戦略とは呼べず方針止まりとなる。

戦略思考のテクニック

  1. カーネルに立ち帰る
    • 戦略があらぬ方向に逸脱していないかチェックするテクニック
  2. 問題点を正確にみきわめる
    • 戦略の一貫性のチェックするテクニック
  3. 最初の案を破壊する
    • 良い判断を下す能力や自分の判断を検証する能力を高めるテクニック
  1. ここまでの説明の通り。
  2. What(何をするか)ではなくWhy(なぜそれをするのか)へと視点を移す、方針を決めることよりも方針を決定づける要因、問題点に注力する必要がある。
  3. プランBを常に考え、より良い戦略を出すためには最初の案を破壊して再考するほうが良い。 また特定分野の戦略を立てるには十分な知識を持っている必要がある。